一般KWと指名KWのリスティング広告費用が適切かどうかはどう測りますか
一般キーワード(一般KW)と指名キーワード(指名KW)のリスティング広告費用が適切かどうかを測るためには、以下のポイントを確認することが重要です。
1. キャンペーンの分離と効果測定
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一般KWと指名KWは別々のキャンペーンで運用することで、予算配分や効果測定が正確に行えます2。
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指名KWはクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が高く、クリック単価(CPC)やコンバージョン単価(CPA)が低くなる傾向があります。この特性を活かし、パフォーマンスを比較してください2。
2. ROAS・ROIの計算
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各キャンペーンごとに広告費用対効果(ROAS)や投資利益率(ROI)を計算し、収益性を確認します1。
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ROASが目標値を下回る場合は、費用配分やキーワード戦略を見直します。
3. 機会損失リスクの確認(指名KW)
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指名KW広告が必要かどうかは以下の条件で判断します2:
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競合他社が指名KWで広告を出している。
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自然検索で自社サイトが上位表示されていない。
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名前が似た他社の広告が表示されている。
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4. 成果目標から逆算
これらの指標を定期的にモニタリングし、必要に応じて調整することで適切な広告費用配分を維持できます。
ROASの目標値はどう決めるの
1. ビジネスモデルと利益率の把握
ROAS目標値を設定する前に、自社のビジネスモデルや製品/サービスの利益率をしっかり理解することが重要です。
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粗利益率を確認
売上に対してどれだけの粗利益が得られるかを計算します。粗利益率が高いほど、低いROASでも許容できます。-
例: 粗利益率が50%の場合、少なくともROASが「2.0」以上(1円の広告費で2円の売上)が必要。
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2. 広告費用と利益目標の関係性を明確化
利益目標や広告費用の上限を考慮して、適切なROASを逆算します。
計算式:
ROAS目標値=広告費用をベースとした売上目標広告費用
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例えば、広告費用が100万円で、売上目標が300万円の場合、ROAS目標値は「3.0」です。
3. 業界や競合を参考にする
業界や競合他社のROAS基準をリサーチすることで、実現可能な目標値を設定します。例えば、以下の業界ごとに一般的なROAS目標値の目安があります:
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EC(物販系)
利益率が低いため、最低でも「4.0~8.0」のROASが求められる。 -
サービス業(サブスクリプションなど)
初期の赤字覚悟で顧客獲得(LTV重視)の場合は「1.5~3.0」。 -
高単価商品やBtoB
コンバージョン数が少ないため、低ROASでも収益が出やすく「1.2~2.0」でもOKな場合がある。
4. LTV(顧客生涯価値)を考慮
特にサブスクリプション型ビジネスやリピーター商材の場合は、顧客が一生涯で生み出す利益(LTV: Lifetime Value)を考慮してROAS目標を設定するのがポイントです。
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例: 顧客1人が初回購入で1000円の利益、LTVが1万円の場合、獲得費用が5000円まで許容できるならROAS目標は「0.2」でも問題ないと判断できます。
5. 広告チャネル別に目標を調整
広告チャネルによってROASの基準を変える必要があります。
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ブランド指名KW(高コンバージョン)
ROAS目標値は高く設定(例: 「5.0」以上)。 -
一般KW(新規ユーザー獲得)
獲得コストが高いため、ROASは低めでも許容(例: 「2.0未満」でもOK)。 -
ディスプレイ広告・SNS広告(認知目的)
広告の目的が短期的な売上ではないため、ROASを厳密に考慮しなくてもよい場合もあります。
6. 実績データから調整
目標値は設定した後も、市場環境や広告運用の実績データに基づいて柔軟に調整します。
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広告運用開始後、分析ツール(Google AdsやGoogle Analyticsなど)を用いて実際のCPAやROASを計測し、最適な目標値を見直してください。
まとめ
ROAS目標値の決定は、「粗利益率」「利益目標」「LTV」「業界基準」など複数の要素を考慮して設定するのが基本です。初期の目標を設定した後も、運用実績や市場環境の変化に応じて適宜調整することが大切です。
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